台湾会社設立の費用はいくら?資本金・規費・運転資金の決め方
台湾で会社を設立するとき、『結局いくら必要で、何日かかるのか』は最も知りたい数字です。ただし、公式規費、専門家へ支払う費用、会社に残る資本金、営業開始後の運転資金を一つの金額にすると、安すぎる見積りにも、必要以上に大きな資本金にもなります。まず四つの財布に分けて考えます。
最初に結論:会社設立の予算は四つに分ける
台湾会社設立の総額を一行で比べるのではなく、政府へ納める公式規費、認証・翻訳・会計士・代行などの民間費用、会社へ払い込む資本金、設立後の運転資金に分けます。資本金は手続業者へ支払って消える費用ではありませんが、実際に払い込み、会社の正当な事業活動に使う資金です。
一般の会社には一律の最低資本金がないと案内されています。ただし、特別な許可を要する業種、外国人の就労許可、銀行審査、予定する事業規模には別の条件や説明が必要になる場合があります。『最低額がない』と『少額で十分』は同じ意味ではありません。
- 公式規費:名称予査、会社設立登記など行政機関へ納める金額。
- 民間費用:書類認証・翻訳、会計士、登記住所、専門家・代行など案件ごとに変わる金額。
- 資本金:会社へ払い込み、設立後の事業に使う資金。単なる手数料ではない。
- 運転資金:売上入金までの賃料、給与、会計、仕入れ、システム、予備費。
公式規費は小さくても、設立総額とは限らない
経済部のワンストップ申請サイトでは、会社名・所営事業の予査は窓口・郵送300台湾元、オンライン150台湾元と案内されています。会社設立登記は、定款上の資本総額4,000台湾元につき1台湾元、最低1,000台湾元が基本で、オンライン申請は算定された登記費から300台湾元減額されます。少額資本のオンライン表示は700台湾元です。
税籍登録や輸出入業者登録など、公式サイト上で無料とされる手続きもあります。一方、日本側書類の認証・翻訳、会計士による資本額查核、住所、業種別許可、銀行対応、設立後の記帳は、政府の定額規費ではありません。見積りでは必ず別行にします。
- 税込か、台湾と日本の実費を含むか。
- 補正対応、追加翻訳、再認証は何回まで含むか。
- 会社設立後の税籍・発票・記帳・給与処理まで含むか。
- 法人口座や就労許可は支援範囲か、それとも別契約か。
資本金は、12か月の資金計画から逆算する
資本金を『登記できる最小額』から決めると、設立直後に増資や立替が必要になることがあります。まず開業前の一時費用、毎月の固定費、売上が入るまでの月数、事業固有の予備費を積み上げます。その上で、借入、売上入金、追加出資に頼らず何か月運営できるかを確認します。
資本金を払い込んだ後も、会社の仕入れ、賃料、給与など正当な事業支出には使えます。ただし、払込みを偽装したり、登記だけのために資金を一時的に見せて直ちに戻したりする前提では設計できません。送金名義、入金証明、会計記録を同じ証拠列として残します。
- 開業前費用:認証・翻訳、保証金、設備、許認可、初期仕入れ。
- 月間固定費:賃料、給与、会計、通信、システム、保険。
- 回収期間:最初の請求から実際の入金までの月数。
- 予備費:補正、輸入、返品、為替変動、採用遅延など事業固有の不確実性。
50万台湾元は、会社設立の一律最低資本金ではない
台湾で外国人創業者の就労許可を調べると、50万台湾元という数字を見かけます。労働部の外国人在臺工作服務網では、設立から1年未満の外国投資事業が特定の管理職就労許可を申請する際、雇用主資格を満たす選択肢の一つとして、払込資本額または台湾での運転資金50万台湾元以上を掲げています。売上、輸出入実績、手数料収入など別の基準も記載されています。
これは特定の就労許可区分における雇用主側の資格であり、すべての会社に共通する設立最低資本金ではありません。株主や代表者になったことだけで、台湾で働く許可や居留が自動的に得られるわけでもありません。本人の役割と申請区分を決めてから、最新要件を公式窓口へ確認してください。
投資審査の2〜4日は、会社設立全体の期間ではない
Invest Taiwanは、非制限業種で投資額が5億台湾元以下の案件について、外国投資審査の目安を2〜4日と掲載しています。投資額や案件の性質により3〜5日、10〜20日、20〜30日という区分もあります。これは必要書類がそろった投資審査部分の目安であり、会社が営業開始できるまでの総日数ではありません。
実際の工程には、名称予査、日本側書類の取得・認証・翻訳、投資許可、銀行との事前確認、海外送金、投資額審定、会計士の查核、会社登記、税籍、法人口座、必要な業種許可や就労・居留が含まれます。最短日数を一本につなぐのではなく、工程ごとに担当者、受付日、補正余裕、完了条件を置きます。
- 申請前:業種、会社形態、投資者、所在地、認証・翻訳を確定する。
- 投資工程:申請日、補正日、許可日を別々に記録する。
- 資金工程:送金前に銀行へ名義、通貨、必要証憑を確認する。
- 登記工程:投資額審定、資本額查核、会社登記の完了条件を分ける。
- 稼働工程:税籍、発票、法人口座、会計、就労・居留の開始日を別管理する。
見積書は七つの行で比較する
複数の支援会社へ相談する場合は、『会社設立一式』という総額だけを比較しません。同じ七つの行で回答してもらうと、含まれる作業と追加費用が見えます。金額の安さより、誰がどの手続きの責任を持ち、何をもって完了とするかを確認します。
- 1. 政府規費と支払先。
- 2. 日本側書類の取得、認証、翻訳。
- 3. 投資許可、送金、投資額審定、資本額查核。
- 4. 会社登記、税籍、発票、会社印。
- 5. 登記住所、賃貸、業種別許可。
- 6. 法人口座、就労許可、居留の支援範囲。
- 7. 設立後12か月の会計、給与、税務と運転資金。
よくある質問
Q. 台湾会社の最低資本金はいくらですか? 一般の会社には一律の最低額はありません。ただし、許可業種、就労許可、事業計画などで別の要件や合理性の説明が必要になる場合があります。
Q. 資本金は設立後に使えますか? 正当な会社事業の支出には使えます。払込みと使途を会計記録で説明できるようにし、見せ金や虚偽の払込みは避けてください。
Q. 台湾会社は何日で設立できますか? 案件ごとに異なります。政府の2〜4日という表示は外国投資審査の一部であり、書類準備、送金、投資額審定、登記、税籍、銀行などを含む総期間ではありません。
Q. 会社を設立すれば日本人代表者は台湾で働けますか? 自動的には働けません。会社登記と、本人の就労許可・居留は別の制度として確認します。
次の一手:金額より先に、前提を一枚にする
見積りを取る前に、事業内容、投資者、会社形態、台湾で働く人、初年度の採用、登録住所、許認可、売上開始予定を一枚にします。同じ前提を銀行、会計士、弁護士など台湾の資格を持つ専門家へ渡せば、比較できる回答になります。
台湾進出の判断で大切なのは、会社を最も安く、最も早く作ることではありません。顧客検証の期限まで会社が動ける資金を持ち、続ける条件と撤退する条件を設立前に決めることです。制度と金額は申請直前に必ず公式情報で更新してください。
公式情報
- 経済部|会社・商業ワンストップ申請の公式規費 名称予査、会社設立登記、税籍登録などの公式規費とオンライン申請時の減額を確認できます。
- 経済部 中小企業署|資本金の考え方 最低資本金の制限と、実際の事業運営に見合う資本を準備する考え方を確認できます。
- 法務部 全國法規資料庫|会社法第9条 株式払込の虚偽表示や、登記後に払込金を株主へ戻す行為に関する条文を確認できます。
- 経済部 Invest Taiwan|外国人投資の申請手順・審査期間 投資許可、送金、投資額審定、会社登記の順序と、投資審査部分の目安日数を確認できます。
- 労働部|外国投資事業の管理職に関する就労許可(B00) 外国投資事業の管理職について、本人・雇用主の資格と必要書類を確認できます。
本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の法律、税務、投資、移民・在留に関する助言ではありません。制度や要件は変更される場合があります。必ず最新の公式情報を確認し、必要に応じて台湾の資格を持つ専門家へ相談してください。